映画「フェイク」【感想・ネタバレあり】男の哀愁と友情

         f:id:leftymovie:20201125073327j:plain

どうもみなさん。leftyです。今回は映画「フェイク」についてお話します。

この映画は僕の大好きな映画の一つでブログタイトルの名前もここからつけました。

「フェイク」は1997年マイク・ニューウェル監督の元、制作されたアメリカ映画です。

今作の何が魅力かというとアルパチーノの哀愁漂う演技です。

アルパチーノといえばハリウッド屈指の名優であり、いくつもの名作に出演しています。

彼は哀愁を表現するのが上手く、盲目の元軍人を演じた「セント・オブ・ウーマン」(1992)

なんかでもよく表現されていました。

今作のパチーノはマフィアの一員レフティーを演じていますが、

レフティーは彼が演じた「ゴットファーザー」のマイケルのような完璧なマフィア

という訳ではなく、むしろどこにでもいるごく普通の人です。

レフティーは情に厚く、面倒見がいい性格ですが、長年ヒラで出世することはありません。

作品の冒頭で彼は船で妻と一緒にどこかへ消えたいと口にします。

ずっと組に尽くしてきたのに出世しない自分の現状にうんざりしていて、

心のどこかで足を洗いたいと思っているんでしょう。

哀愁たっぷりなレフティの姿が目に浮かびます。

そんな彼の元に宝石商のドニー・ブラスコが現れます。演じたのはジョニー・デップです。

ドニーというのは仮の名で、本名はジョー・ピストーネというFBI捜査官です。

ジョーはドニーと名乗り、マフィアの摘発を目的としてFBIから組織に送り込まれました。

ドニーは以前からFBIに目をつけられていたレフティーと接触することに成功します。

レフティーはドニーにマフィアの掟を教え、彼の面倒を見ることになります。

一緒に行動するうちに彼らには確かな友情が芽生えます。

「死ぬときは一緒だ。」レフティーはドニーにそう語りかけます。

ドニーも彼に応えるのでした。

ドニーはレフティーの所属するグループとも親密な関係を築いていきます。

グループの中で着々と成果を挙げ、信頼されてきたドニーは、

やがてレフティーを差し置いてグループのボスに認められていきます。

レフティーは頭角を現したドニーに複雑な感情を抱きます。

マフィアに潜入するうちにドニーは捜査員としての自分と、マフィアとしての自分の間で

どちらが本当の自分か分からず葛藤し始めます。

仮に捜査員としての役目を終え、組織を抜けると、自分を信用し、

組に入れてくれたレフティーを裏切ることになり、

そうなるとレフティーは組織に殺されることになります。

行動をともにし、親友となったレフティーを想い、

ドニーは組織を抜けられなくなっていました。

彼は家庭を犠牲にしても潜入捜査を続けました。

映画のラストにレフティーはドニーの潜入捜査に勘付きますが、

ドニーのことを信じ、忘れようとします。

その後、捜査を終えたドニーはFBIに身柄を引き取られます。

レフティーは最後、自分が殺されることを予期してドニーに伝言を残します。

「どうせこうなるならお前でよかった。」

レフティーの最期は描かれてはいませんが、

彼は消されてしまったのではないかと僕は思っています。

いつも消されることに怯えていたレフティーが、

親友の為に腹を括るシーンは、友情の美しさを感じました。

何度見てもアルパチーノの演技に引き込まれ、

レフティーが好きになっていくので、オススメです。